動的平衡する企業(変わりゆく企業)とそのアイデンティティ

 昨日の「企業のサステナビリティと経営理念」の続きになります。企業が持続可能であるための取り組みという意味で「サステナビリティ」という言葉を使いましたが、なぜ、企業は持続可能である必要があるのでしょう。

 当然つぶれたら従業員やお客様、取引先など関係者に迷惑がかかるからという理由が一般的でしょう。企業はそれに関わる人たちの幸せのためにあるのだから、企業はゴーイングコンサーン(永続組織)である必要があるといわれます。

 私の座右の書の一冊に、「生物と無生物のあいだ」(福岡伸一、講談社、2007年、740円+税)があります。この本には次の記述があります。
「私たちは、自分の表層、すなわち皮膚や爪や毛髪が絶えず新生しつつ古いものと置き換わっていることを実感できる。しかし、置き換わっているのは何も表層だけではないのである。身体のありとあらゆる部位、それは臓器や組織だけでなく、一見、固定的な構造に見える骨や歯ですらもその内部では絶え間のない分解と合成が繰り返されている。」

 人間は食物などから体内に取り入れ、そして老廃物を体外に排出しています。福岡さんは、身体は一定ではなくつねに新しいものが増え、古いものが消えているという動的(ダイナミック)なもので、今ある体というのはその平衡(バランス)のうえでなりたっているといいます。人間の体を分子レベルで考えると数ヶ月から半年でまったくの別人に変わるそうです。そして、このことを動的平衡と呼んでます。

 存続している企業も、一定ではなくつねに新しいものが増え、古いものが消えているという動的(ダイナミック)なもので、今ある会社というのはその平衡(バランス)のうえでなりたっているといえるのではないでしょうか。常に入れ替わっているものは、従業員であり、商品であり、お客様であり、企業をとりまくものやその中身全てです。

 では、その動的平衡である企業、過去と現在で長い目で見れば全く中身が入れ変わってる企業、これが同じ企業だといえる根拠はなんでしょう?
やはり考え方、一貫した「経営理念」がそのアイデンティティを担保しているのではないかと考えます。

 この話、また明日に続きます。




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