2011年11月9日 のアーカイブ

経営学は経営の役にたつのか?

2011年11月9日 水曜日

 「小樽商科大学大学院博士課程での学びを実際の仕事で使える形でお伝えします」ということで、今年の8月から「研究報告会 経営に役立つ経営学のお話」を月に一度開いています。次回が4回目で今週の土曜日10:15から小樽商大サテライトで行います。(パンフレット http://thinkweb.co.jp/blog/link/111112.pdf

 今年の4月に社会人入学した博士後期過程では、専門分野での研究を進め論文にまとめていかなければなりませんが、商学博士となるのであれば、ひろく経営学110年の歴史を学ぶことが必要であり、せっかく学ぶのであれば、それを自分ひとりのものとせず、そこで先人が見出した原理原則を皆さんの実際の経営にも役立ててもらおうという狙いで始めたものです。

 今週の発表会はまだ5席ほど余裕がありますので、ご希望の方は明日までにお申込ください。

 さて、その小樽商科大学での授業ですが、今年と来年で5科目の授業を受ける予定であり、9月から始まった後期で「現代経営組織特論」という授業を受けています。その授業では一橋大学大学院教授である沼上幹さんの「行為の経営学」(白桃書房 2000年 3300円+税)という本を読んでいます。前回の授業ではその本の3章について意見交換をしたのですが、そこには以下のような記述があります。

 「誤解を恐れずに簡単にいえば、経営学の研究者は実践家から様々なデータを受けとり、そのデータに基づいて何らかの法則を確立する作業を追及する。研究者がひとたび法則を確立すれば、その法則に基づいて経験的な世界でも予測とコントロールが可能になる。このような法則のすべてではないにしても、そのうちのいくつかは実践家の関心に沿うものであり、その研究者が実践家に教えることによって、実践家は自らの実践の質を高めていくことが可能になる。これが不変法則の定立に基づいた<実践的に役に立つ経営学>の自己イメージである。」

 それをうけ、こう続きます。

 「企業組織をコントロール・システムと見なし(存在論的仮定)、そのコントロール・システムを支配している不変の法則をカヴァー法則モデルを用いて追及し(認識論的仮定)、そこから得られた法則的知識を実践家に提供して彼らが世界を予測し、コントロールするのを支援する、というワンセットの信念体系を、正統派の経営組織論者は保有している。」

 ここまでは、冒頭、私がひらいている研究報告会の目的と同じ話ですが、沼上さんはこの考えに、こう反対します。

 「コントロール・システムを構成する部品としての実践家が世界を予測したり、コントロールするといったように、ひとつの信念体系として本来矛盾に満ちたものであるにもかかわらず、この信念体形はいまだに組織論や戦略論の領域では支配的な地位を享受しているように思われる。これらの信念体系が研究を実行する局面(theory-in-use)で無意識的に強固にし支持されている限り、行為システム記述や意図せざる結果の探求、意識と意図の解釈・了解などといった研究活動は研究者コミュニテイにおいて十分な認知を受けることは難しい。行為システム記述の復権を目指す本書は、それ故、このワンセットの信念体系を徹底的に批判しなければならない。」

 この話、長くなりますので、今日はここまでとします。




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