昨日、一昨日と国内や国外の優良会社の研究を紹介しましたが、優良会社の反対、業績の悪い会社に関しての研究はなかなかありません。
しかし、昨日紹介した、「日本の持続的成長企業:「優良+長寿」の企業研究」(野中郁次郎監修、リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所著、東洋経済新報社、2010年、1800円+税)に、「戦略不全の論理:慢性的な低収益の病からどう抜け出すか」(三品和弘、東洋経済新報社、2004年、2730円)と「戦略不全の因果:1013社の明暗はどこで分かれたのか」(三品和弘、東洋経済新報社、2007年、3360円)の2冊が紹介されていました。
アマゾンの紹介によると「戦略不全の論理」は「戦略とは何か。なぜ戦略は機能しないのか。戦略のできる経営者をどう育成するのか。日本企業が抱える問題の本質とその解決策を明快に示す。」という内容であり、「経営判断の重要性に着目した議論を展開し、エコノミスト賞、組織学会高宮賞、日経BP・BizTech賞を受賞したロングセラー」という本です。「戦略不全の因果」は、「持続的な利益成長を遂げる企業とそうでない企業は、どこが違うのか。「事業立地」という新たな概念を提示して、その違いは経営者の能力によって決まることを明らかにする。利益成長の持続力、利益成長の跳躍力、経営戦略のリスクという3つの基準で評価した上場企業1013社のリストつき。」と紹介されています。
著者の三品和弘さんは、一橋大学卒業後、ハーバード大学の大学院に進み、その後ハーバードで助教授、北陸先端科学技術大学院大学を経て、現在、神戸大学大学院経営学研究科教授をされており、神戸大学のホームページには、研究テーマとして「企業および事業の長期収益を決める主因は何なのか。戦略のできる経営者はどのように育つのか。これらの問いに答えるべく、2008年から日本企業1013社を対象とする究極のケーススタディに取り組んできましたが、いよいよ2010年に179ケースを網羅した『戦略暴走』という本を出すことができました。2011年度は、この続編として『戦略独走』に取り組みます。これが完成すると、ケース教材のペアが出揃います。」と書かれています。
なかなか良い値段の本なので、小樽商科大学付属図書館で上記の本の内容を確認しようとしたら、蔵書にありませんでした。組織学会高宮賞を受賞した本が蔵書に無いとは残念です。さっそく購入希望のリストを出しておきました。
とりあえず本屋の店頭に並んでいた「経営戦略を問いなおす」(三品和広、筑摩書房、2006年、740円+税)を購入しました。そのあとがきにはこんなことが書かれています。
「経営戦略を問いなおそうと思い立ったのも、教室からでした。世には経営戦略の教科書が出回っているのですが、戦略をほんとうに必要とする立場の人たちの前に出ると、教科書では歯が立たないと言わざるを得ませんでした。」
「じゃあケーススタディはどうかといえば、これも駄目です。ケースになるのは、やったことに特長のある会社や、やり方に特長のある会社だけと相場がきまっています。」
「本にでている程度のことなら、その道一筋30年という人たちが、既に何度も試みているのが普通と来ています。一晩唸る程度でなんとかなるものではありません。」
まさしくその通りで、私も常々、世にある戦略論は、自分の会社についてじっくり考えるには良い材料にはなるが、業績向上のためにどのような戦略をとるべきかを示すものではないと考えていました。では、企業の業績、結果を決めるものはなにか。あとがきにはこう書かれています。ちょっと長くなりますが紹介します。
「従来の戦略論は、経営の営為が結果につながるという暗黙の仮定を置いてました。ところが、経営の営為に焦点を会わせた教科書をいくら勉強しても、戦略のできない人が、急に戦略の名人になるとことはなかったように思います。それは、経営の営為が、原因と結果の真ん中に横たわる中間変数に過ぎなかったからだと私は考えるようになりました。そこであらためて見つめてみると、結果につながる本当の原因は営為の背後に控える「事業観」にあるのではないかという見方が浮かんできたのです。だったら、戦略を直接説くよりも、事業観を鍛えるに限ります。」
長くなりましたので、続きは明日にします。
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