3月21日に行われた、小樽商科大学大学院商学研究科の李教授の講演「今こそ必要な人材育成 -北海道の現状とその対応策-」の紹介が続いてますが、今日の話で最後になります。
李教授は国際経営論がご専門で、欧米の企業に比較した場合の日本企業の弱さについて下記のように語られました。
・日本企業の意思決定が遅く、世界のスピードについてこれない。
欧米の企業では「7-3ルール」(70%大丈夫だと思ったらゴーサインをだす)で意思決定をするが、日本の企業は100%の安全が得られるまで判断を下させない。そのため変化の対応が遅くなる。
・プレゼンスの弱さ
日本人は自己アピールができない、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、ネゴシエーション能力を高めてることが必要である。
最初の意思決定の遅さについて、最近よく感じることがあります。
意思決定が遅いということは、行動が遅いというということです。周りの人々を見ていると、行動が遅いというよりは行動を起こさない人が多いと感じます。
何か変化がある。変化に気づく。どうしようかと考える。でも決断を下さない。決断しないまま今まで通りの行動をとる。結果、変化に対してなんら反応しない。このようなことを感じます。
李教授のご出身の韓国には ??? ??? という言葉があります。シジャギ パニダ と発音し、「始まったら半分終わったも同じだ」という意味で、ともかく始めてみよう、ということです。
先月26日に書いた「北海道IT経営応援隊フェア ソフトブレーン宋文州さんの講演」にも、中国出身の宋さんが、「経済が大変、困った困った、と言っているが、何も行動していない。本当に困っていないからだ。本当に困っているのであれば行動を起こしているはずだ」とおっしゃってます。
意思決定が遅く、行動を起こすのが遅い、これは北海道の人には特に当てはまるのではないでしょうか。
二点目のプレゼンスというのは、存在と言う意味です。プレゼンスが弱いとは、自己アピールができないということです。
李教授も日本人の「おくゆかしさ」について語られましたが、やはり、昔からの「おくゆかしさ」を尊ぶ風潮、考え方が生活に浸透し、自己アピールや積極的な発言を妨げていると感じます。
「おくゆかしさ」はこれはこれで大事な風潮ですが、ビジネスや研究など外部に情報発信が必要な場合はやはり積極的なアピールが必要でしょう。そのためには、コミュニケーション能力を高めるためのトレーニングが必要ですが、小樽商科大学にもそのような講座はないとのことでした。
李教授のお話はこの後、小樽商科大学のビジネススクールの紹介でした。
札幌駅横の紀伊国屋のビルにある小樽商科大学札幌サテライトで夜間に授業があるので、仕事を持っている社会人も学びやすそうです。ただ、大学院相当の位置づけですので、入学するにはそれなりの資質が必要となります。
李教授の話が終わり、「どなたか質問などはありませんか?」と質疑応答の時間になりました。どの講演でもそうですが、今回も、一瞬、場が静まる気配がありました。
私は、誰も手を上げる気配がないときは自分が手を上げると決めてますので(このブログを始めてからですが)、最初の質問をさせてもらいました。
質問の内容は次の通りです。
中小零細の企業の経営者は、このような勉強をさせてもらった後、それを明日の仕事にどう活かすか考え、実行することが必要だ。今日の話では、人材育成は「採用」と「教育」が両輪だということだが、中小零細の企業では「採用」と言っても理想の人が応募してくるかと考えると現実的に厳しい。また、「教育」と言っても、社員をビジネススクールに通わせることができるかというと会社も社員自身も難しい。現実はそのような状況だが、そこをどう乗り越えていくか…
というような、質問というより感想を述べました。
李教授も、確かに現実はそうだとのことでしたが、小樽商科大学のビジネススクールでは、企業への出前授業の試みも始めているとのことで、コープ札幌の例を紹介されました。
何度か繰り返していると、質問の最初に手をあげることにも慣れてきました。また、質問をすることを前提に話を聞くようにもなりましたので、問題意識をもって話を聞くことも出来ます。これも実践的なコミュニケーション能力の学習だと思います。
長くなりましたので、今日の話はこれくらいにしようと思いますが、もう一点、ビジネススクールの有効性についての話をしたくなりました。李教授のお話は今日が最後と冒頭に書きましたが、明日、もう一度、その点について話をしたいと思います。
最後の最後に… 今回の話に出てきた韓国語ですが、韓国のドラマやテレビ番組をよく見ている妻からのうけうりです。
(これでは単なる「韓流おばさん」・・・ 韓国語を長く勉強している「美しく聡明な妻」、 と書けと本人が申してます)
「平成21年7月14日に過去記事を消去してしまいました。この記事はデータを元に復刻させたものです。」
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