‘盛和塾’ カテゴリーのアーカイブ

会社の目的と働く人の目的の重なり

2019年5月18日 土曜日

会社の目的は経営理念として表現され、その姿はビジョンに描かれ、その実現のための経営戦略・方針が立てられ、具体的な目標は経営計画に反映されます。
そうして、今年は売上はこれだけ上げて経費はこれだけに抑えていくらの利益を確保しようということになります。

その経営計画を実施していくのはそこで働く人たちであり、その人たちがなぜその計画を推し進める必要があるのか、何のための計画なのか、それを理解し納得していることが円滑な計画実施のために望まれることです。

経営理念、ビジョン、戦略・方針、計画の意図を丁寧に説明すれば、働く人たちの理解は得られるでしょう。ただ納得し、自らそれに向かって行動するようになるには、会社の目的と働く人個人の目的が重なる部分が必要だと思います。

この重なる部分を作る一番確実な方法は、会社の目的に働く人たちの幸福追求ということを盛り込むことです。

京セラの経営理念、KDDIの経営理念、その創業者である稲盛和夫さんが再建したJALの経営理念、そして稲盛さんが塾長の盛和塾で学ぶ多くの会社の経営理念には「全従業員の物心両面の幸福」ということがうたわれています。

会社の目的とそこで働く人たちの目的が、少なくとも「全従業員の物心両面の幸福」という部分で重なります。

されに付け加えると、会社の目的は誰でもが納得できる普遍的に正しいものであるべきだといえましょう。

 

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実事求是

2019年3月24日 日曜日

現在の中国(中華人民共和国)を振り返ってみると、文化大革命があり儒教などの古典が弾圧されたり、それが2000年ごろから復活したり、一人子政策を始めたりそれをやめたり、右に左にハンドルを切るような政策の変更があるのだなぁと思っていたのですが、なぜそういうことが起きていたのかを理解するキーワードが本日のタイトル「実事求是(じつじきゅうぜ)」です。

ネットで検索すると、「実事求是」とは、「事実を実証することで、真理を追求し、物事の真相をあきらかにしていくこと。事実に基づいてこそ、真理は求められるということ」とあります。

元々は前漢時代の2代目皇帝が言い出した言葉だそうですが、近年では1940年ごろに毛沢東が「実事求是」と言い、共産党中央校の正門に刻ませたそうです。その毛沢東の死後、鄧小平、胡耀邦が毛沢東の言った「実事求是」を持ち出し、解放、改革に舵をとったそうです。

2004年4月6日、稲盛和夫さんは中国共産党中央校にて共産党幹部の人たちに、中国の古典をもとに成長の著しい中国は「覇道ではなく王道を」(これは孫文が日本での講演で使った表現)と講演しています。
私はそれが中国の論語に代表される古典の復活に大きな影響を与えたものと考えています。

盛和塾の機関誌『盛和塾』59号(2004年6月号)には、その講演要録と、「企業人から見た中国の現状」という稲盛さんによる2004年4月16日に行われた共同通信社「きさらぎ会」主催の講演会での講話が掲載されており、その講演の中で、「実事求是」に関する説明があり、それを参考に本日の記事を書いています。

  

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企業とは従業員の意識の集合体

2019年3月5日 火曜日

京セラ創業者の稲盛和夫さんは、中小企業経営者のための経営塾「盛和塾」を主宰していますが、その2004年発行の機関誌「盛和塾」57号には伊藤謙介京セラ会長による「私が塾長から教わったこと」という手記があり、そこに「私は、企業とは従業員の意識の集合体であると考えています」と書かれています。

「会社とは、本社ビルでも工場でもない。あなたがた一人ひとりが会社なのだ」と社員によく言っているそうですが、「社員がどういう意識を持って仕事をしていくのか。その意識が何百、何千と集まって、企業文化をつくり、その企業文化、企業風土というものが業績となって結晶化するのだと思うのです」と説明しています。

これを読んで思い出したのが、2011年7月30日にこのブログに書いた「動的平衡する企業(変わりゆく企業)とそのアイデンティティ」という記事です。

そこには、以下のように書いています。

私の座右の書の一冊に、「生物と無生物のあいだ」(福岡伸一、講談社、2007年、740円+税)があります。この本には次の記述があります。
「私たちは、自分の表層、すなわち皮膚や爪や毛髪が絶えず新生しつつ古いものと置き換わっていることを実感できる。しかし、置き換わっているのは何も表層 だけではないのである。身体のありとあらゆる部位、それは臓器や組織だけでなく、一見、固定的な構造に見える骨や歯ですらもその内部では絶え間のない分解 と合成が繰り返されている。」

人間は食物などから体内に取り入れ、そして老廃物を体外に排出しています。福岡さんは、身体は一定ではなくつねに新しいものが増え、古いもの が消えているという動的(ダイナミック)なもので、今ある体というのはその平衡(バランス)のうえでなりたっているといいます。人間の体を分子レベルで考 えると数ヶ月から半年でまったくの別人に変わるそうです。そして、このことを動的平衡と呼んでます。

存続している企業も、一定ではなくつねに新しいものが増え、古いものが消えているという動的(ダイナミック)なもので、今ある会社というのはその 平衡(バランス)のうえでなりたっているといえるのではないでしょうか。常に入れ替わっているものは、従業員であり、商品であり、お客様であり、企業をと りまくものやその中身全てです。

では、その動的平衡である企業、過去と現在で長い目で見れば全く中身が入れ変わってる企業、これが同じ企業だといえる根拠はなんでしょう?
やはり考え方、一貫した「経営理念」がそのアイデンティティを担保しているのではないかと考えます。

  

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もう一つの3年の積み重ね

2018年12月31日 月曜日

60日や3年の積み重ねの話をしてきましたが、今日はもう一つの3年間の積み重ね、正確にはほぼ3年の積み重ねの話です。

私が所属している盛和塾には機関誌マラソンという勉強会があります。
毎年5~6回発行されている盛和塾の機関誌を毎週1号分読んで感想文を書き、グループ内で共有するという勉強会です。

機関誌は現在151号まで発刊されており、来年一杯で盛和塾が解散するとのことで、156号が最終号の予定です。
毎週1冊だと終了するのにほぼ3年かかるということになります。

私は盛和塾札幌の第1グループとしてこの勉強会に参加し、2年半ほど経ったところで現在132号まで読み終わり、来年2019年5月26日に既刊の153号に追いつく予定です。

それでは3年ではないではないかという声が聞こえてきそうですが、今年2018年2月より札幌塾7グループにも参加しており、その期間を加えると3年を優に超えることになります。

通常、良い話を聞いたり読んだりしても時間が経てば記憶から薄れてきます。
しかしこの勉強会では毎週の繰り返しで、頭から消えていくのではなく、積み重なっていきます。
この勉強会を通じ習慣の力の凄さを改めて感じています。

  

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できるまで考える

2018年12月3日 月曜日

今日は盛和塾札幌の自主勉強会で2016年の稲盛和夫塾長の東日本忘年例会での講話をDVDで視聴しました。「リーダーとして目標をいかに実現するか」というテーマで目標達成のためにリーダーに求められる5つのことについての解説です。その中で一番印象にのこったのが本日のブログタイトルの「できるまで考える」でした。

5つあげたポイントの2つめが「リーダーは自ら立てた目標を達成するための具体的、論理的な方法を検討しつづけなければなりません」というものですが、これが「できるまで考える」ということです。
目標達成までの道筋、そして達成して皆で喜ぶ姿までイメージせよというものです。

簡単には達成できないことでも、頭の中でのシミュレーションは繰り返すことによってあの手この手を考え、これならできるというところまで考えることをやめないということです。

しっかり考える、考える時間をとる、私の机の上にも「考えよ」と書かかれた置物があります。

 

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判断と判断基準3

2018年11月3日 土曜日

昨日は、
「範囲を広げて考えていくことが、原理原則に基づいたぶれない判断基準となるのではないでしょうか」
と書き、
「どこまで範囲を広げるのか、私たちが近くする一番広い範囲は宇宙でしょう」
と書きました。

故溝口雄三東大名誉教授は、このように範囲を広げていくことを公共的と表現し、「自分が公共的であろうとしてどんどん考えていくと、最後には、自分というものはこの宇宙のなかでどういう役割を与えられているのかというところに思い至ります」と述べています。

その宇宙とはどういうものか?
溝口さんは稲盛和夫さんの「一生懸命に生きている自然界が、宇宙本来の姿なんです。我々が一生懸命に働く、それが宇宙の本来の姿なのです」という言葉で説明します。(『盛和塾』通巻39号)

また、稲盛さんは、ビッグバン理論をもとに宇宙には成長・発展という流れがあるといっています。それらから考えると、宇宙とはそれぞれが一生懸命生きていく、一生懸命働いていくことによって、言葉を変えると、それぞれの立場を全うすることによって、成長・発展するものだといえるかと思います。

一方、人間が皆一生懸命に生きているか、働いているかといわれるとそうではありません。
生きていくためには一生懸命になったとしても、それが満たされると、ついつい楽をしたい、遊びたいなどと利己的な気持ちが起こります。
稲盛さんは考え方にはマイナス100点からプラス100点まであるとおっしゃいますが、これは何もしていないと0点の状態であるということではなく、人間は常にマイナスの考え方に引っ張られており、何もしていないとマイナス100点となるのだと私は思います。

そのため、少しでもプラスの方向に考え方を持っていく必要があり、これが一生懸命に生きる、一生懸命に働くということにつながると考えます。

このプラスの方向に考えることが、人間として正しいことであり、精一杯働いて成長・発展するという宇宙の法則に沿うものだと考えます。

話が長くなりましたが、宇宙の中の自分として持つべき判断基準は、成長発展のために一生懸命生きる、働くという、人間として正しいことかどうかという基準なのだと思います。

 

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人生いろいろ

2018年10月1日 月曜日

本日は盛和塾世界大会出席のため、7:15千歳空港集合のための自宅出発から22:30の懇親会終了までタイムテーブル通りにすごしました。

初日は3名の方の経営体験発表でしたが、大きな会社は従業員1万人以上の会社です。
また、その後の懇親会には札幌塾、帯広塾を中心に道内塾の人たちが集まりましたが、やはり会社の業種や規模やはさまざまです。

例えば従業員1万人の会社であれば、いろいろな役割の人たちがいるはずで、そして、その一人ひとりに当然ながら人生があるわけですが、そんなことを考えていると、月並みですが、人生いろいろという言葉が浮かんできました。

 

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人間にある怠け心に打ち克つには動機が必要2

2018年7月9日 月曜日

昨日の、機関誌「盛和塾」22号(1997年7月号)の住友生命名誉会長であった新井正明さんの記事にあった、カール・ヒルティの「人間には怠け心があるのは当然だ」という話の続きです。

昨日は、怠け心に打ち克つためには強い動機が必要で、その動機も欲望や名誉心、生活のためというような低次元の欲望より、仕事の高い目標に向かってチャレンジする意欲や、家族など誰かのために仕事をしているという責任感や愛情という高次元の動機が長続きするという話を紹介しましたが、インターネットで検索すると、以下の引用が掲載されているサイトがありました。

「したがって、できるだけある目標のために、あるいは、ある人に対する愛情を込めて働くように心がけることが大事である。目標を持てば同志や仲間ができる。仲間は、仕事にとっても人生にとっても大切な存在になる。愛する家族、親や妻、子どものために働くことも立派な動機だ。こうした動機から仕事をしていれば、なまけ心は自然に克服されていく。くれぐれも、自分だけにこだわり、自分のためだけに生きようとしないこと。エゴイズムはどんな場合も、弱点となるだけだ。」

やはり、下の図が真理なのだなと感じます。

 

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人間にある怠け心に打ち克つには動機が必要

2018年7月8日 日曜日

昨日、機関誌「盛和塾」22号(1997年7月号)の住友生命名誉会長であった新井正明さんの記事から「人には皆怠け心がある」という話を紹介しましたが、その際に新井さんはカール・ヒルティの「人間には怠け心があるのは当然だ」という言葉を引いています。

カール・ヒルティ(1833年2月28日 – 1909年10月12日)は、スイスの下院議員を務め、法学者、著名な文筆家としても知られ、日本では『幸福論』、『眠られぬ夜のために』の著者として有名であり、敬虔なキリスト教徒として、神、人間、生、死、愛、などの主題を用いて、現代の預言者とも評されるほどの思想書を書き残した、とWikipediaに紹介されています。

そのヒルティは、怠け心に打ち克つためには強い動機が必要で、その動機も欲望や名誉心、生活のためというような低次元の欲望より、仕事の高い目標に向かってチャレンジする意欲や、家族など誰かのために仕事をしているという責任感や愛情という高次元の動機が長続きするといっています。

 

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無倦(むけん) 倦むことなかれ 続き

2018年7月7日 土曜日

昨日紹介した論語の句の解説、感想の続きです。

白文:子路問政、子曰、先之労之、請益、曰、無倦.
書き下し文:子路、政を問う。子曰く、これに先んじ、これを労す。益を請う。曰く、倦むこと無かれ。
口語訳:子路(しろ:孔子の弟子)が政治について質問した。孔子が答えられた。「人民の先頭に立って労働し、人民の苦労をねぎわるのだ。」子路はもっと教えてくださいと言った。先生は言われた。「飽きることなく続けることが大事だ。」

なぜ、孔子は、「無倦、倦むこと無かれ、飽きることなく続けることが大事だ」と言ったのか?
それはやはり人には皆怠け心があるからだと、機関誌「盛和塾」22号(1997年7月号)で住友生命名誉会長であった新井正明さんはいっています。

この図を見れば、「怠け心」という動物の持つ本能に負けず、人間の理性を持って前に進んでいくことが大事であることが一目瞭然で、「無倦、倦むこと無かれ、飽きることなく続けることが大事だ」ということがわかります。

 

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